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「肩甲骨はがし」とは??

皆さんこんにちは。豊島区巣鴨にございます整形外科、巣鴨整形外科リハビリテーションクリニック院長の荒畦です。

最近テレビやインターネット、町の整骨院・マッサージ店でよく目にする「肩甲骨はがし」について医学的な観点から解説をしたいと思います。

そもそも「肩甲骨はがし」という言葉は医学的には全く根拠がなく、当然肩甲骨はどこからもはがれません。しかし「肩甲骨はがし」と聞くと、肩甲骨が体から自由にはがれて肩の動きが良くなり、肩の痛みが取れそうな気がしてしまいますよね。(なので肩甲骨はがしという言葉が世間で流行しているのだと思います)

では、具体的に「肩甲骨はがし」と呼ばれる治療法は「何」を「どこから」はがしているのでしょうか??

肩甲骨には17種類の筋肉(僧帽筋、広背筋、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、肩甲下筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、烏口腕筋、小胸筋、前鋸筋、肩甲舌骨筋)が付いており、それぞれが頭蓋骨・頚椎・胸椎・腰椎・骨盤・上腕骨・橈骨・尺骨・舌骨!?(喉の骨)とつながっています。

つまり肩甲骨はたくさんの筋肉によって、たくさんの骨と連結している骨なのです。

したがって、それらの筋肉が硬くなったりバランスが悪くなってしまうと当然肩の動きが悪くなり、肩の痛みの原因となってしまいます。そしてこれらの肩の筋肉を「はがす」≒「滑走性を高める(動きやすくする)」ことによって肩の痛みの改善を目指したのが「肩甲骨はがし」と呼ばれるものです。

つまり、「肩甲骨はがし」とは肩甲骨に付いている筋肉の滑走性を高め、肩の可動域を改善させることによって肩の痛みを軽減させようとするアプローチ全般を指します。

世間では「肩甲骨はがし」というキャッチーな言葉が独り歩きしていますが、その言葉に惑わされることなく、肩のどこに原因があるのかしっかり見極めることも重要です。

当院でも肩回り(首、肩、背中)の痛みに対するリハビリテーション治療を行っておりますので、症状にお困りの方は一度当院へご相談ください。
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