巷で「わたし片頭痛持ちなんです。」と、よく耳にする機会があります。詳しく話を聞いていると多くの方の「片頭痛」といっているものは「片頭痛ではない頭痛」であるように思うことがあります。
まず「片頭痛」とは何か? からいきましょう!
~片頭痛~
中等度~重度の頭痛を繰り返し、光や音を不快に感じたり吐き気を伴ったりする神経疾患のことをいいます。国際頭痛学会の診断基準で「前兆のない頭痛」と「前兆のある頭痛」に分けれらます。
「前兆のない頭痛」
頭の片側がズキズキと脈打つような強い頭痛発作を繰り返す病気で、痛みは数時間から長い時に3日程度持続します。実際には4割近くの方が両側性の頭痛を経験されているそうです。歩いたり階段昇降動作により頭痛がひどくなることが特徴です。頭痛と同時に気分が悪くなったり吐き気を催したり、光や音に敏感になるといった症状を伴うこともあります。
「前兆のある片頭痛」
特徴的な前兆が頭痛の前に出現し、先の「前兆のない片頭痛」と同様の頭痛が起こります。特徴的な前兆とは『閃輝暗点』と呼ばれるキラキラした光が見えたり、視野の一部が見えにくくなるといった視覚症状があります。その他に、感覚が鈍くなる感覚症状やや言葉を発しにくくなる言語症状などがあります。前兆の持続時間は一般的に1時間以内です。
と、「片頭痛」とはこういうものを指します。
片頭痛以外の頭痛はどんなものがあるかご存知ですか?
まず頭痛は『一時性頭痛』と『二次性頭痛』に分けられます。
『一時性頭痛』は片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛や三叉神経・自律神経性頭痛といった脳や体に病気が無いのに起こる慢性頭痛のことをいいます。
一方で『二次性頭痛』は、脳や体に何らかの病気があって発生する頭痛のことを言います。病気の原因は様々です。命の危険もある病気も含まれているので、注意が必要です。
整形の分野において『一次性頭痛』の「緊張型頭痛」が散見されることが多い印象です。
「以前から片頭痛なんです…。」
といった方がいらっしゃいますが、リハビリによるアプローチにて概ね改善されていきます。
~緊張型頭痛~
頭~首~肩周りの筋肉が緊張して痛みが現れます。筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物が溜まりその周囲に神経刺激されて起こる痛みです。
症状の原因として、精神的・身体的ストレスであることが多くデスクワークなど長時間にわたり同一姿勢をとり続ける人に多いです。
無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって、目の疲れや倦怠感などとともに痛みが現れやすいのが「緊張型頭痛」。後頭部から首筋を中心に頭全体がギューッとしめつけられるように痛みます。
吐き気や嘔吐などといった頭痛以外の症状は現れず、日常生活への支障も片頭痛ほどではありませんが、数時間で治まる場合や、頭痛が数ヶ月以上も続くなど、慢性化するケースもあるようです。
次は予防法と対処法についてです。
片頭痛の予防法
1、頭痛日と環境をチェックする
疲労や睡眠不足などストレスの多い環境が重なった時に片頭痛が起こるかを記録しておくことで、原因となる環境を特定し該当する時期にそういった環境を避けるようにする。
2、規則正しく睡眠をとる
寝不足や寝すぎ、疲労、空腹など体のストレスは片頭痛の引き金になりやすいので避けましょう。特に週末の寝だめや二度寝は空腹と寝すぎが重なって片頭痛を重くするので注意が必要です。
3、頭痛の誘発食品を控える
チョコレート、チーズ、ハム、ヨーグルト、赤ワインなど片頭痛を誘発するといわれている食品の過剰摂取に気を付けましょう。
片頭痛の対処法
1、冷やす
冷たいタオルなどを痛む部位に当てると、血管が収縮して痛みの軽減に役立ちます。一方で入浴やマッサージなどは血管を拡張させるので痛みが増悪することになり逆効果が出やすいです。
2、静かな暗い場所で休む
頭痛の最中に体を動かすと痛みが増悪し、光刺激や音刺激でも痛みはさらに増悪します。可能な範囲で静かな暗い場所で横になり休みましょう。
3、カフェインを適量摂取する
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインは血管を収縮する作用があり、痛みの早期に飲むと痛みが軽減します。デメリットとして連日の摂取は逆に頭痛を誘発するので注意が必要です。
緊張型頭痛の予防法
1、長時間同じ姿勢をとらない
姿勢を正しても、同じ姿勢で長時間の作業を行わないようにしましょう。
2、頚部、肩甲帯周囲の運動で血流up!
気づいたときに簡単なストレッチなどの運動を行い、筋肉の緊張を緩和させましょう。
3、枕の高さの調節
高すぎる枕や柔らかい枕は首の負担になり、寝ている間に筋肉を緊張させてしまうことでしょう。自分に合った枕の高さや硬さを選ぶことで予防しましょう。
※自分に合ったとは、寝やすいを重視するのではなく構造的に筋肉や関節が楽になるような姿勢に誘導させてくれるものを選びましょう。
緊張型頭痛の対処法
1、温めて筋肉を柔らかくしましょう
マッサージや蒸しタオル、風呂やシャワー、運動などで温めて筋肉の緊張を改善させましょう。
2、気分転換をする
頭痛が始まったら、心身へのストレスを加えている状況・環境を中止し早めに気分転換をしましょう。
敢えて2つの頭痛に絞って説明してみましたが、いかがでしたでしょうか?
自分の頭痛はどのタイプであった。また両方とも状況に応じてあるのでがないかなどと分かったことと思います。
皆様のタイプの頭痛と内容がリンクし、予防・対処でき頭痛を避けることが出来るようになれば幸いです。
#豊島区巣鴨#整形外科#巣鴨整形外科リハビリテーションクリニック#リハビリ#外来リハビリ#理学療法士#PT#頭痛#片頭痛#緊張型頭痛##頭痛予防・改善