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タンパク質を摂るなら「質」と「タイミング」が重要

皆さんこんにちは。豊島区巣鴨にございます整形外科、巣鴨整形外科リハビリテーションクリニック院長の荒畦です。

今日はタンパク質の摂取に関する文献を一つ紹介しながら、効率的なタンパク質の摂取方法について説明させて頂きます。

紹介する文献は日本の高齢者における朝食のタンパク質の「質」と「筋力」について調べたものです。
「Breakfast Protein Quality and Muscle Strength in Japanese Older Adults」(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35007507/)

この文献によると日本の高齢者約3000人を7年間調査し、食事におけるタンパク質の質の高さと筋力低下の発生率を調べたところ、朝食に摂取するタンパク質の質が高い人ほど筋力低下の発生率が低いという結果が得られたようです。具体的には朝食に摂取するタンパク質の質が高い人は、朝食に摂取するタンパク質の質が低い人に比べて筋力低下のリスクが約半分(オッズ比:OR=0.5)という結果でした。

タンパク質の質の高さとはPDCAAS(Protein Digestibility Corrected Amino Acid Score)で表され、具体的には牛乳・卵・大豆・肉に含まれるタンパク質の質は高く(PDCAAS:牛乳=1.0、卵=1.0、大豆=1.0、牛肉=0.92)、米・小麦・砂糖に含まれるタンパク質の質は低い(PDCAAS:米=0.62、小麦=0.25)とされています。

今回の研究で面白い点は、タンパク質摂取による筋力低下の予防効果と関連があったのはタンパク質の「質」と「朝食」のみであったところです。詳細な結果は文献を参照していただきたいですが、タンパク質の「量」や「昼食や夕食に良質なたんぱく質を摂取する」ことはあまり筋力低下予防との関連はなかったようです。(タンパク質の摂取量が少なくても良いということではなく、あくまでも「量だけを増やしてもあまり効果的ではない」ということです。)

紹介した文献はあくまで高齢者を対象としたものなので若い世代の方にどの程度あてはまるかはわかりませんが、少なくとも「朝食」に「質の高い」タンパク質を摂取することはとても重要だと考えられます。

今回紹介した文献以外にも朝食が心疾患、糖尿病、認知症などの予防に関連するというものもありますので、皆さんも是非「質の高い朝食」を摂るように心がけて頂ければと思います。
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