寒暖差疲労のメカニズム
寒暖差疲労は、本格的に冷え込む冬に起こりやすくなります。なぜかというと、一日の最低・最高気温の差が大きくなるためです。また暖房機器を使用することで室内外の気温差も広がるため、更に体が寒暖差のある環境に置かれることになることも原因です。こうした寒暖差の激しい環境で過ごしていると、私たちの体は気温差に対応しようと何度も熱を作ったり逃がしたりして、必要以上にエネルギーを消費します。その結果、寒暖差疲労が蓄積し自律神経も乱れて、自分が意識している以上に体が冷えやすくなってしまうのです。最近は、空調が完備された環境が増えていることもあり、寒暖差への耐性が弱い人が多い傾向があるといわれています。
寒暖差疲労による症状
寒暖差疲労によって、体は冷えの症状が進行しやすくなります。更に、①肩こり ②めまい ③頭痛 ④食欲不振、などの症状が引き起こされるリスクがあります。寒暖差によって疲労が溜まると、さまざまな体調不良を連鎖的に引き起こすリスクが高くなります。そのため寒暖差を感じやすいシーズンに入る前に、対策を意識することが大切です。
寒暖差疲労を引き起こす原因と環境
寒暖差疲労を起こしやすくなる気温差は、「前日と比較して5℃以上」といわれています。季節の変わり目はもちろん、冬場は天気予報などをこまめにチェックして、なるべく気温差を感じることのないよう、服装にも気を付けることが重要といえるでしょう。また、空調のきいた職場を出入りすることが多い
ど、気温の変化を感じやすい生活を送っていると、自律神経が常にフル回転している状態となるため、寒暖差疲労につながるといわれています。最近は異常気象による寒暖差も激しくなっているため、寒暖差疲労が常態化してしまうという懸念もあります。
寒暖差疲労を溜めないコツ
寒暖差疲労を溜め込まないためには、体を内側と外側のどちらからも温めることがポイントとなります。
「冬の生活習慣のポイント」として、
①毎日湯船に入る
入浴することで、体に蓄積された老廃物や疲労物質が取り除かれる「温熱作用」のほか、血液やリンパの流れを改善する「水圧作用」、筋肉や関節をリラックスさせる「浮力作用」の3つの効果を得られます。お湯の温度は38~40℃程度と、ややぬるめに設定してください。肩までしっかりとお湯につかり、10分以上入浴することがおすすめです。湯上がり後も温かさが持続して、湯冷めしにくくなります。
②日常的な動作に軽く負荷をかける
移動や家事など、毎日の生活の中で何気なく行っている動作に、軽い負荷をかけてみましょう。A,エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使うb,電車ではなるべく座らないc,座るときは膝を閉じるようにするd,家ではつま先立ちで歩くe,洗濯物を干す際は洗濯物を取る度にスクワットをする、このように少しだけ「きつい」と感じる動作を生活に取り入れることで、普段よりも体を動かすことができ、冷えの改善につながります。
③体を冷やさない食事を
温かい飲み物をとる習慣をつけましょう。白湯やスープなどの温かい飲み物を積極的に飲んで、体の内側から温めることがポイントです。また寒暖差疲労に負けない体力をつけ、免疫力を高めるために、栄養バランスの良い食事を心掛けることも大切です。冬季はさまざまな栄養を一度にとれる、鍋料理がおすすめです。特に体を温める効果がある、ニラやネギ、生姜、ニンニクを使った鍋がいいでしょう。