「お尻から大腿・下腿の痛み」の訴えは多くきかれますが、原因の根源は腰の神経であることがほとんどです。
それは脚をコントロールする神経が腰から出ているためです。
【概要】脊柱管内を走行している神経組織(馬尾・神経根)と周囲組織(骨・軟部組織)との相互関係が何らかの理由で破綻し、神経症状が起きた状態を言います。主な原因は周囲組織の機械的な圧迫です。また、腰部脊柱管狭窄症は様々な疾患や病態が混在しており、先天的に狭窄している・ヘルニアとの合併・過去の腰椎疾患に対して受けた手術によりもの・外傷後などに分類されます。
【主な症状】臀部・下肢の痛み、痺れ、間欠性跛行などの歩行障害
【診断】徒手検査、レントゲン、MRI、CT
腰部脊柱管狭窄症の治療では、保存療法と手術療法があります。初期は保存療法が選択され、保存療法の効果が見られない場合は手術療法が適応になります。
◆薬物療法
痛み止めの内服、外用薬(湿布、塗布剤)など
◆理学療法
筋硬結のある部位の治療、運動療法、動作指導など
◆手術療法
除圧術または固定術が行われます。
【概要】20~50歳の青壮年期の男性に多く、第4-5腰椎、第5腰椎-第1仙椎に好発すると言われています。脊柱の構造的な特徴や椎間板の退行的変化などを基盤とし、髄核の突出や繊維輪の膨隆により引き起こされます。
【主な症状】腰・殿部・下肢の痛み、痺れ、筋力低下、知覚低下、排尿障害
【診断】徒手検査、レントゲン、MRI
腰椎椎間板ヘルニアの治療では、保存療法と手術療法があります。体動できないほどの痛みや排尿障害などがない場合は保存療法が選択されます。
◆薬物療法
痛み止めの内服、外用薬(湿布、塗布剤)、外用薬の処方を行います。
◆理学療法
筋硬結のある部位の治療、運動療法、日常生活動作指導などを行います。
◆手術療法
椎間板の摘出やヘルニアや髄核の切除などを行います。術後のスポーツへの復帰は状態にもよりますが再発の予防の為にも3ヶ月は要します。
【概要】腰、お尻から下肢後面にかけて痛む場合、坐骨神経痛と言われることがあります。しかし本来、坐骨神経痛という病気ではなく腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、梨状筋症候群など原疾患がある場合があります。また坐骨神経の通り道にある筋肉が硬くなってしまうと坐骨神経を圧迫してしまうため痛みや痺れが出現する場合があります。
【主な診断】レントゲン、MRI、徒手検査
脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアではない場合、治療は保存療法で行われます。
◆薬物療法
痛み止めの内服、外用薬(湿布、塗布剤)
◆理学療法
筋硬結のある部位の治療、運動療法、日常生活動作指導を行います。
問診、徒手検査、画像検査をしっかりと行い、内服の処方や注射による治療、リハビリテーションの実施などを提案します。
当院では医師からリハビリテーションの指示があった場合、理学療法士が治療を行います。姿勢や動作を分析し、痛みの原因を特定していきます。その際、レントゲンやMRIで発見できなかった原因が見つかることもあります。